2022年7月16日

ひろこ
ひろこ
あなたの食の専属パートナー ひろこ です。
特定保健指導を行っていると、骨粗鬆症が気になって、牛乳を毎日2杯以上飲んでいる人がたまにいます。骨粗鬆症の予防のために「カルシウム」は、重要な栄養素ですが、カルシムは体内に吸収されにくいため、単純にカルシムだけを摂っていても骨は強くなりません。骨粗鬆症を予防する食事について学びましょう。

骨の強さを決めるもの

骨強度は骨密度と骨質の2つの要因で決まります。
骨強度を10としたとき、骨密度の要因は7、骨質の要因は3と言われています。

 

栄養素全体におけるカルシムの位置づけ

カルシムは骨のミネラル成分の重要な構成栄養素であり、骨粗鬆症の予防や治療に不可欠な栄養素でもあります。
ただし、骨の健康にかかわる栄養素は多く、カルシムのみが重要という訳ではありません。
カルシム摂取量を増やすことは骨粗鬆症の予防に有効ではありますが、一定量を超えるとカルシムの吸収量はプラトーになります。

また、カルシウム吸収はビタミンDの栄養状態に左右されます。
さらに、吸収されたカルシムが骨に沈着するかは、骨の状態によって決まります。

したがって、カルシム摂取量のみに注目せず、栄養素全体の摂取、バランスを考えることが重要となるのです。

 

カルシム以外にどのような栄養素が必要か

骨を作るのに必要な栄養素はカルシウム、ビタミンD、ビタミンK、たんぱく質、ビタミンB群、マグネシウムなども必要となります。
カルシウムは、体内に吸収されにくいため、カルシウムの吸収を助ける栄養素が必要になります。

カルシム

骨の主成分でもあるカルシウムは、骨の強度を保つ上で欠かせない成分です。
骨は、絶えず”壊しては作って”を繰り返しています。
また、カルシムイオンは、筋肉の収縮や血液の凝固にまた、体内では細胞内や血液中のカルシウム濃度は一定に保たれています。
血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、不足した場合は、必要に応じて骨から血液中に移動します。
しかし、カルシウムの体内での吸収率は良くないため、意識してカルシウムを含む食品を食べることが勧められます。

カルシムが足りているか下の表を使ってチェックしてみましょう。
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 参照

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、血液中のカルシウムを骨まで運ぶ働きがあります。
カルシウムとビタミンDとあわせて摂取することが大事です。
また、骨を作る骨芽細胞の働きを促進して骨の形成を助ける働きもあります。
ビタミンDは、脂溶性ビタミンであるため、脂質も一緒に摂ることがポイントとなります。

ひろこ
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ビタミンDは、日光に当たることで自分の体内で作り出すことができます。冬は1日1時間、夏は日陰で30分程度を目安とし、日光浴をすることもお勧めです。

ビタミンK

ビタミンKは、カルシウムが骨に取り込まれて骨の形成を促す働きをします。
また、カルシウムが尿中に排泄されるのを抑える働きをします。
ビタミンD同様、ビタミンKも脂溶性ビタミンであるため、脂質も一緒に摂ることがポイントとなります。

ビタミンB群


ビタミンB群の中の、ビタミンB6、B12、葉酸は骨のコラーゲンの劣化を防ぎ、骨質を高めるコラーゲン形成に重要です。

タンパク質

タンパク質は、骨質を高めるコラーゲンの材料です。
また、骨折を防ぐには、筋肉のサポートも重要です。
タンパク質は、筋肉を作るためにも欠かせない栄養素です。

マグネシウム

マグネシウムは、骨の中に入るカルシウム量を調節するために必要な栄養素で、骨密度の増加や骨折予防に関わります。
カルシウム2に対し、マグネシウム 1の割合でバランス良くとる必要があります。

控えた方がよい食品

食事は、エネルギーおよび栄養素をバランスよく摂取することを基本としていて、特に避けるべき食品は無いです。
しかし、リン、食塩、カフェイン、アルコールの過剰摂取は控えるように心がけることをお勧めします。

骨粗鬆症と時間栄養学

骨量の維持には、ミネラルが吸着し骨をつくる造骨作用(骨形成)と、逆にミネラルが流出し骨を壊す破骨作用(骨吸収)が平衡することが重要といわれています。
この働きは、体内時計の支配下にあり、昼間は破骨作用が主に働き、夜は逆に造骨作用が主体になります。
このことから、骨粗鬆症の予防のために、牛乳を1日1杯飲むとしたら、朝よりも夕方に飲む方が効率的と言えます。

ひろこ
ひろこ
今回は、たまたま骨粗鬆症を例にとりましたが、何かを気にして、そればかりに気がとられてはいませんか?
骨粗鬆症が予防できたからと言って、他の病気を防げる訳ではありません。カルシムの吸収が良いとされる牛乳を飲み過ぎてしまうと、LDLコレステロール値が上昇する可能性が高くなります。LDLコレステロール値が高くなりすぎると、動脈硬化になるリスクがたかまり、血管障害がおきるリスクが高まります。食べ物の適量は、人それぞれ違います。自分の身体状況を俯瞰的にみることは難しいかもしれません。そんな時は専門職にアドバイスをもらうと良いですね。

 

【参考文献】
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 
『食べる時間でこんなに変わる 時間栄養学入門』 柴田重信 著 講談社