2022年7月2日

ひろこ
ひろこ
あなたの食の専属パートナー ひろこ です。
健康診断でみつかる肝臓病のトップが脂肪肝。管理栄養士でも、血液検査データを見れば脂肪肝気味かは分かります。特定保健指導時に「脂肪肝気味って言われたことはありませんか?」と聞いたら100%「脂肪肝って言われています」との返答があります。しかし、対象者様が自発的に「脂肪肝と言われました」ということは、ほゞないです。そして、多くの方が、脂肪肝の受け止めが軽い印象です。
今回は、身近な脂肪肝について見ていきましょう。

脂肪肝とは

脂肪肝とは、肝臓の臓器に中性脂肪がたまった状態で、脂肪性肝疾患とも言われます。
異所性脂肪の1つです。

脂肪肝になる原因

脂肪肝の多くは、食べ過ぎ、飲み過ぎなどの食生活が原因です。

食事で取りすぎたエネルギーは、内臓脂肪、皮下脂肪として蓄積されるほか、エネルギー源として肝臓にも貯蔵されます。
健康な人の肝臓でも、全体の重量の3~5%程度は脂肪と言われています。

しかし、脂肪が増えすぎると「脂肪滴」といった、球状の脂肪が肝細胞内で増殖します。
そして、脂肪が占める割合が肝細胞全体の1/3以上に達すると脂肪肝と診断されます。
こうやって脂肪がたまっていく間も、たいていの人は無症状なので、危機感を感じられない方が多くなります。

酒が原因の脂肪肝の対処方法

1日平均純エタノール60g以上の飲酒習慣がある 90% 以上に、脂肪肝は認められます。
飲酒習慣のみが脂肪肝の起因であれば、禁酒により比較的短期間に改善すると言われています。

飲酒と共に食事も多く食べてしまう方は、食事の改善も必要です。
アルコールを解毒する際に必要な補酵素NADPHは、食事として摂取された炭水化物を効率よく脂肪酸に変換するのにも必要です。
体内で、アルコールと食事が同時に入ってきた場合、アルコールは消化せずに直ぐに吸収されます。
反対に、食事は消化され吸収されます。
したがって、多量飲酒してしまうとNADPHがなくなってしまい、消化した炭水化物を脂肪酸に変換できずに中性脂肪に変換するため、容易に脂肪肝になってしまいます。

ひろこ
ひろこ
飲酒習慣のある人に高頻度にみられるのが、アルコールは米やブドウなどが原料のため、アルコールを飲んだら主食は必要ないと勘違いしているケースです。
アルコールは、エネルギーになりますが、脳や赤血球などのエネルギー源であるブドウ糖の替わりにはなりません。
また、アルコールは、血糖値が低くなった時に筋肉や脂肪からブドウ糖をつくる糖新生もおさえてしまうため、低血糖発作を起こすこともあります。

食事が原因の脂肪肝の対処方法

BMI25以上の場合

脂肪肝の多くは、食べ過ぎ、飲み過ぎなどの食生活が原因なので、食事は大切です。
ポイントは、1日の摂取エネルギー量と脂質を減らすことにあります。
優先順位は、摂取エネルギー量の調整が優先されます。

この50年間に日本人の脂質摂取量は劇的に増加しています。
特に加工食品には多く含まれるので、食品成分表示をしっかりと確認しましょう。
さらに、食後に肝臓で合成される中性脂肪は、食事由来の糖質が原料となっています。
このため、脂質と糖質の2つの摂取量が過剰にならないように注意します。

また、有酸素運動は1日に20~30分以上おこなうことが有効的と言われています。

BMI23以下の場合

ぱっと見、痩せている人でも脂肪肝になっている人はいます。
筋肉量が少なかったり、皮下脂肪や内臓脂肪への蓄積能力が低い人は、肝臓や筋肉などに脂肪がたまりやすいからです。
また、飲食の量は少なくても、糖質や脂質の割合が多い食事が生活習慣としてあり、運動習慣がない人は注意が必要です。
例えば、炭水化物ばかりの食習慣、食事をお菓子で済ます習慣がある方などは、肥満でなくても脂肪肝になってしまう可能性はあります。
タンパク質、脂質、炭水化物のバランスを意識した食事をするように心がけましょう。

ついでに

脂肪肝を放置すると、肝細胞が大きくなり互いに押し合い、その間を流れる毛細血管を圧迫しだします。
そのため、肝細胞に十分な酸素や栄養がいかなくなります。
その結果、肝細胞の働きが低下したり、肝細胞の壊死につながります。

ひろこ
ひろこ
体重や体脂肪を減らすだけなら食事制限でもある程度は効果が見込めます。しかし、脂肪肝対策には食事だけでは不十分で、運動が必要とわかってきています。
健康管理は、日々の食事と運動が基本の基本となってきます。まずは、明日もやれるなと思うレベルでいいので、運動習慣を身に着けていきたいですね。

 

【参考文献】
『病気がみえる①消化器』
Wen G, et al : Mouse γ-butyrobetaine dioxygenase is regulated by peroxisome proliferator-activated receptor αthrough a PPRE located in the proximal promoter. Biochem Pharmacol 82 : 175―183, 2011.