2022年5月3日

ひろこ
ひろこ
あなたの食の専属パートナー ひろこ です。
前回は、各種フードガイドの関連性について書きました。特定保健指導を行っていると、15回に1回は『サプリメント』について聞かれます。食習慣がイマイチなことを自覚していて、前向きに改善しようとサプリメントの利用をしていると思います。しかし、各種フードガイドには、サプリメントについての記載は、ほぼ在りません。
今回はサプリメント全般について見ていきましょう。

 

日本におけるサプリメントの立ち位置

日本において、日常、サプリメントと思っている商品には法律上の定義が在りません。
厚生労働省は、私たちが想像するサプリメントを「いわゆる健康食品」と呼び、医薬品と違うことだけは明確に打ち出しています。
日本では、口から摂取する物のうち、医薬品以外の物は全て食品と定義しています。

通常、食品に対して医薬品のような「身体の構造や機能に影響する表示」をすることは、認められていません
例外として、「特別用途食品」などに対しては、限定的な機能などの表示を国が例外として認めています。

ちなみに、アメリカでは日本のサプリメント類をDietary Supplementと言い「従来の食品・医薬品とは異なるカテゴリーの食品で、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブ等の成分を含み、通常の食品と紛らわしくない形状のもの」と定義しています。
ヨーロッパでも、アメリカと同様の扱いをしており、通常の食品でもなく医薬品でもない、新しいカテゴリーの物としています。

 

サプリメントの立ち位医薬品とサプリメントの違い

医薬品とサプリメントの大きな違いとしては、
 ★ 製品の品質(有効成分量や有害物質の混入有無)
 ★ 有効性や安全性に関する科学的根拠の質と量
 ★ 利用環境
の3点が挙げられます。

製品の品質

医薬品は、有効成分が一定の純度と量で添加され、製造管理および品質管理規則にしたがって製造されています。
しかし、サプリメントの製造は必ずしもそうしなくて良いので、品質はさまざまな状況と言えます。
また、医薬品の様に崩壊試験を実施していない製品もあり、表示成分が消化吸収されるかも定かではありません

科学的根拠

医薬品は病者を対象とした治療・治癒の効果が検証され、そこから安全性情報も、もえられます。
しかし、サプリメントはそもそも食品であり、そこまでの検証は求められてはいません
また、特定保健用食品に認可されている商品であっても、検体数が少ない場合が多いです。

利用環境

医薬品は、副作用の有無をチェックしながら、医師や薬剤師によって安全で効果的な利用環境が整備されています。
しかし、サプリメントは、製品の選択と利用は消費者の自由です。
組み合わせによっては身体に異常をきたすこともあります。
加えて、製造販売している者が必ずしも医学・薬学の知識を有しているとは限らないといった怖さもあります。

ひろこ
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崩壊試験とは、経口製剤の形態が液中で崩壊する時間を確認する試験のことです。崩壊試験では錠剤の形態が対象となり、有効成分の溶解はその対象ではありません。

 

食品とサプリメントの違い

サプリメントと食品の異なる点は、
 ★ 栄養成分の種類の豊富さ
 ★ 栄養成分の量
 ★ 安全性
の3点が挙げられます。

栄養成分の種類の豊富さ

現在のところ、サプリメントでとれる栄養成分の種類は限られています。
しかし、食品には色々な種類の栄養成分が含まれています。
栄養成分の多くは、単独で力を発揮するというよりも、複数の成分がそろうことではじめて、体内で有効に働きます。
食品を食べていれば、意識せずとも色々な栄養成分が同時にとれることになり、結果的に栄養効果が高まります。

今後、研究が進み、現在は健康効果を示すといわれている成分でも、期待する効果が得られないとなるかもしれません。
逆に、現時点で見つかっていなくても、将来、健康効果の高い栄養成分が発見される可能性もあります。

注目する成分しか取れないサプリメントと違って、食品は既に知られている成分から、いまはまだ発見されていない成分まで、多くの成分を含んでいます。
食物繊維は、今でこそ健康に役立つ栄養成分としてサプリメントにも利用されていますが、以前は栄養価値のないもの、あるいはヒトにとって好ましくない成分として扱われていました。
食品を食べていれば、このような成分も知らず知らずのうちにとれるのです!!

栄養成分の量

サプリメントは健康効果が期待できる特定の成分だけを濃縮し、一度にたくさんの量をとれるようになっています。
食品以外の形状の食べ物から、限られた成分を一度に大量にとることが、良くも悪くも身体にどのような影響を与えるかは不明な点が多いです。
少量なら健康に役立つ成分でも、大量にとれば、かえって健康を害することもあります。
例えば、大豆イソフラボンは大豆製品からとると、更年期障害の症状軽減や乳がんの予防に役立つことが明らかになっています。
しかし、サプリメントで大量にとると、人によっては乳がんの発症や再発のリスクが高まる可能性が分かってきています。

ひろこ
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大豆イソフラボンは体内で直接作用するのではなく、腸の中で代謝してつくられる成分「エクオール」がエストロゲンに似た作用をします。
エクオールはエストロゲンにはまったく作用しませんが、更年期症状やメタボ、シミ、しわ、骨粗鬆症の改善に十分な効果があると言われています。
エクオールをつくれるヒトは2人に1人です。エクオールをつくれる腸内細菌を持っているかは尿検査でわかる。エクオールをつくれるのであれば、1日に納豆1パック、もしくは豆乳コップ一杯とれば十分といわれています。

安全性

私たちが食べている食品は、長い歴史の中でヒトが数ある動植物の中から選び抜き、それに適した処理をして食べ続けられてきたものです。
食品の安全性は、長い食の歴史により裏づけられています。
また、食品の形状だからこそ、特定の成分の摂り過ぎを防げる可能性もあるのです。

 

ひろこ
ひろこ
栄養成分は、単独でとるのではなく、さまざまな種類を一緒に、適量を摂ることが身体にもよく、効率的であると考えられます。
よって、食品から栄養をとることを基本とし、サプリメントは万が一の補助手段とするのが理想ですね。
物事は、良いか悪いかの両極端に分けて単純化すると理解しやすいですが、サプリメントも「全て良い」「全て悪い」と二分できるものでは有りません。
普段の食事が整っていれば、1回くらい乱れても問題ありません。
私の場合、サプリメントの質を吟味するするくらいなら、整った食事をするほうが楽と感じてしまいます😅

 

【参考資料】
厚生労働省 HP
消費者庁 HP
日本薬局方