2021年7月9日 執筆

はじめに
最近、ニュースなどで聞く頻度が高くなってきた代替肉や代替魚。
言葉として新しいので、どの様なものを代替肉と定義するのかなどは決まっていません。
似たような言葉で、コピー食品、フェイク食品、代用食品などと言った言葉がありますが、全て聞いたことが無い言葉かもしれません。
上の言葉の中で、国語辞典に登録されている言葉は『コピー食品』のみです。
大辞林 第四版 でコピー食品は、
生産量が少なく高価な本物の食品に似せて作られた食品の総称。
とされています。
また、食品学の分野では、
コピー食品とは、本物と異なる安価な原料から本物に似せて作られた新食品素材の一部。コピー食品には、かまぼこにカニの風味と似たような食感をつけたカニ風味かまぼこや、着色したサラダ油で目を作り海藻多糖類で外側を覆った人工イクラ、植物油を原料とするコーヒー用イミテーションミルク、大豆たんぱく質から製造したミートボールやハンバーグなどがある。
としています。
よって、今回のお題の代替〇は、今のところコピー食品のなかの1個と捉えていいでしょう。
そして、かにかまのようなコピー食品は、他の魚介類を材料として風味・食感・形・色などを蟹の身に似せてるのに対し、代替肉は通常の肉ではなく、大豆など植物性原料を材料として肉の味や食感を再現して作られる点が大きな違いと言えます。
補足:動物の細胞を培養してつくる「培養肉」の開発も進んでおり、これも代替肉のひとつとする方もいるようです。
市場の代替肉
最近、メディアで取り上げられている代替肉や代替魚はハンバーグ形状のものが多いようです。

素材というより、それで完成している商品がメインのようです。
また、大豆ミートと肉を合わせて利用している商品もありますので代替肉のみの商品であるか否かの確認は必要そうです。

原材料も大豆だけで作られているもの、エンドウ豆や大やでん粉を原料にして作られているものと様々です。他の植物性たんぱく質を原料にする場合もあるので「植物由来肉」「植物肉」「プラントベースミート」とも呼ばれています。
また、形状もミンチ状、フィレ状、ブロック状と様々です。
さらに、保存形態も乾燥したもの、生のもの、冷凍のものなど様々です。
この様にみると、大豆たんぱく商品には可能性がまだまだありそうです。
代替肉が市場に出だした背景
環境保護や動物愛護の観点から、この「代替肉」が世界的に注目されています。
環境保護の側面からみましょう。
ヒトは年3000億もの動物を消費していると言われています。
その動物達を生み出すために、地球上の居住可能な土地の約40%を使用しており、森林破壊、温室効果ガス排出、水資源の大量消費など環境破壊の主要原因となっているとみられています。
餌となる穀物類の消費、ふん尿の処理やたい肥化によって発生するメタンガス、飼育時にかかる水、などを論点に食肉は環境負荷が高いと言われています。
動物愛護の側面をみましょう。
現在流通している畜産物は、効率重視の工場型畜産で生産されたもので占められています。
彼らは、コスト削減のための効率が追求され、多くの家畜は大量生産のための閉所で飼育されています。
家畜は単なる金を得る道具として扱われ、動物らしい行動を抑制されて苦痛に満ち、かつ短い一生を送ることになります。
この様な状況に異議を唱え、人間が動物に対して与える痛みやストレスといった苦痛を最小限に抑えるなどの活動により動物の厚生を実現する考えアニマル・ウェルフェア(Animal Welfare)を考えましょうという流れがあるようです。
管理栄養士 ひろこ の思うこと

何からつくられているのか、原材料は遺伝子組み換えか否か、国産か否か、など調べるくらいなら自分で作る!!って思考回路なんです。
先日、イオンで大豆からつくったミンチがあるとの事で試してみよう!!と思いました。

個人的にひき肉と同じように使えるとイメージしていたのですが、pH調整剤と増粘剤が入っていたので、残念な気持ちになりました。
牛、豚、鶏のひき肉には入ることのない保存料が入っていることに違和感を感じました。

私はエビやカニを食べるとアレルギー症状がでますので、アレルギーを持っている方の不便さが多少なりとも分かります。
地球資源や動物愛護の観点から、代替肉などの利用は避けられなくなるかもしれませんが、アレルギーを持っていて代替肉を食べられないヒトもいることを心に留めて欲しいと思います。

よって、植物性のもので賄う場合は動物性のものよりも多く食べなくてはいけなくなります。
効率が全てではありませんが、ヒトの生活様式、寿命までに話が広がっていくことだと思います。

資源が枯渇したら、泣いても叫んでも無いものはないのだから、その中でやっていくしかない。
枯渇していないにしろ、価格が高騰したら食べなくなるだろうし。
だから、フードロス0で、肥満にならない量で、元気に動ける程度の栄養を出来るだけ最低限とることを愚直にやること位はできるから、やっています。
